マカオ初となる本格的な軌道系大量輸送機関(鉄道)として、マカオLRT(Light Rapid Transit)が昨年(2019年)12月10日に営業運転を開始。すでに開業8ヶ月目を迎えているが、利用者数は低迷し、事前見通しを大きく下回る状況が続いている。
(中略)
運営会社のマカオLRT社は7月3日、開業後7ヶ月間(2019年12月〜2020年6月)の乗客数データを公表。1日あたり平均乗客数(延べ、以下同)は開業初月の12月は3万3000人に上ったものの、以降は1月が1万6000人、2月は1100人、3月は1400人、4月は1200人、5月は1400人、6月は1500人と低迷が続いている。マカオ政府は開業を前に1日あたり平均乗客数予測を約2万人としていた。
昨年12月にようやく開通
LRTとは軽量起動交通のことでいわゆる“ゆりかもめ”的乗り物を指している。15年以上前から建設の話自体は浮上していたが、工事は紆余曲折を繰り返しながら遅々として進まず、昨年末ようやく開業に漕ぎつけた経緯がある。開通路線は、ギャラクシー・ベネチアン・CODなど大型カジノが立ち並ぶ“コタイストリップ”と呼ばれるエリアやマカオ国際空港をつなぐ上記のみ。今後はマカオ半島側のリスボア周辺やマカオフェリーターミナル、ボーダーゲートをつなぐ路線の開通を目指している。
旅行客にとっては有難い存在に
マカオはタクシーの数が必ずしも十分でなく、時期や時間帯によってはなかなか捕まらないことも多い… しかも、乗車拒否や故意に遠回りする“ぼったくり”が社会問題化しており、地元政府は長年対応に苦慮してきた。LRT開通は空港へ向かう旅行客の足として重宝するだけでなく、これらの問題についてもプラスに働きそうだ。
災難続きの交通インフラに
何の因果か開業時期までコロナ禍とドンピシャ… 半年を待たずに運行本数を減らす事態に陥っている。しかも、より必要性が高いマカオ半島路線については、いまだルート選定で難航しており本格着工に至ってないとのことだ。
本当にできるのか…💧