マカオ‐広東省間の入境制限以降、マカオトップのジャンケット事業者たちは、取扱高の増加をまだ確認しておらず、中国から外への資金の流れに対する取り締まりが厳しくなっていることと流動性の懸念がVIP部門に大きく影響していると業界のアナリストたちは指摘する。(中略)
アナリストたちは、「我々はジャンケットエージェントに最近確認した。そしてその結果が状況が継続していることを示している。(分かったのは)多くのジャンケットエージェントが中国で拘束されたということだ。エージェントたちはギャンブル負債の回収さえも恐れており、プレイヤーをマカオへと連れてくることは言うまでもない」と述べた。
アナリストたちはまた、マカオでの厳しい流動性も指摘しており、入境口が再開する中、顧客によるジャンケットからの出資金引き上げが増加している。
Iag JAPAN 2020.08.25: https://www.asgam.jp/index.php/2020/08/25/macau-recovery-yet-to-take-shape-as-liquidity-china-regulatory-controls-impact-vip-sector-jp/
中国人富裕層が頼りにするジャンケットとは?
中国では政府が海外への現金の持ち出しを制限(上限で約60万ほど)しており、特別自治区であるマカオも同じように扱われる。そこで潤沢な資金でギャンブルしたい富裕層が頼るのがジャンケットだ。
彼らは現地マカオで富裕層の身の回りの世話をするとともに多額の資金も調達、国内に戻ってから回収するというサービスを提供している。
中国人VIP客の回復が急務となるが…
カジノ収益の大半はVIP客からもたらされるもの。コロナ以降苦境に立たされているカジノやジャンケット業者にとって、今後拡大されるビザ発給の動きに合わせて中国人富裕層を呼び込もうとするのは自然な流れだ。
中国当局のムードがピリピリしていたのは既報の通りだが、資金流出の取り締まりがコロナ前より厳しさを増したのはちょっと計算外だったかもしれない。
ビザ発給再開に歓喜したのも束の間、VIPの呼び込み不可となればマカオ回復への道のりはさらに険しくなりそうだ。