澳門(マカオ)特区政府観光局によると、マカオ特区政府は9月1日から12月31日まで、中国大陸部観光客のマカオ観光消費を喚起するため、微信(WeChat)プラットフォームを通じて計2億9000万マカオ・パタカ(1マカオ・パタカは約13.2円)の消費券を配布する。人民網が伝えた。
マカオ特区政府観光局はリリースした通知で、「中国大陸部とマカオ地区では新型コロナウイルス感染状況がほぼ安定し、大陸部住民のマカオ観光ビザも徐々に発給が回復している。こうした点を考慮したうえで、特区政府は9月1日から『観光客数を拡大し、経済を振興し、雇用を守る』計画を打ち出すことを決定した。インターネット電子商取引業者を通じ、観光客に飛行機チケット・ホテル・消費の割引を提供し、マカオに観光客を呼び込むと同時に、マカオ滞在期間の消費を増やし、マカオの観光・レジャーサービスをよりよく体験してもらう」としている。
Cri online 2020.09.03:http://japanese.cri.cn/20200903/a299931b-2c6e-4fd3-f6a2-d0ce12af7723.html
満を持して始まった、マカオ経済振興策
新型コロナウイルス感染状況が不安定な時期ゆえに東京都が対象外となるなど、予算の割に効果が微妙だといった指摘も多かった日本の「Go Toトラベルキャンペーン」。
遅れること約一か月。マカオでも経済回復のために同様の振興策がスタートした。マカオ・中国大陸部ともに最近の感染状況が安定していること、また、10月には中国最大の大型連休が控えていることもあって、地元の期待も大いに高まっているという。
米ジェフリーズ証券は「マカオのカジノ収入は9月から徐々に回復を始め、10月の大型連休には損益分岐点を超える」と予想。マカオ景気回復へのシナリオは準備万端と言ったところだろう。
着々と進む内需の囲い込み
一方、中国政府は先日海外のカジノ集積地に対して中国人の渡航を制限する「ブラックリスト制度」を設けることを発表。
コロナ禍を機として、中国のギャンブル需要をマカオに集約する動きを強めている。
これによって苦しくなるのは中国人依存度の高いアジアの観光地だ。とくに中国人カジノ客からの収益を当てにしているフィリピン・ベトナム・シンガポールなどの国は、今後の中国政府の胸三寸で命運が左右されることになるかもしれない。