資産家シェルドン・アデルソン氏率いる世界最大のカジノ運営会社、米ラスベガス・サンズはラスベガスにあるカジノの売却を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。売却が実現すればアデルソン氏は米カジノ業界から当面は撤退することになる。
協議が非公開として匿名を条件に語った関係者によると、同社はアドバイザーと協力して「ベネチアンリゾートラスベガス」、「パラッツォ」、「サンズ・エクスポ・コンベンションセンター」への関心を探っており、これらの物件の売却代金は合計で60億ドル(約6300億円)以上となる可能性がある。
ラスベガス・サンズの担当者は、売却を巡る協議が極めて初期の段階にあり、何も最終決定には至っていないことを確認した。
売却が実現すれば、ラスベガス・サンズの全カジノ資産はマカオとシンガポールに集中する。アデルソン氏の事業の中で米国部門は既に小規模で縮小しており、昨年の売上高に占める割合は15%未満だった。
出典:Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-10-27/QITZQYDWX2PV01
サンズはマカオとシンガポールに全集中?
ラスベガス・サンズはコロナ禍以降、業績悪化を理由に当面の間株主に配当を出さないことを宣言。株価も大きく落ち込んでいました。しかし、先日幹部がマカオでの事業改善を示唆したことで株価が一気に急上昇。この事実からも同社の収益の柱はすでに米国内にはなく、マカオやシンガポールの海外カジノに移っていることが窺えます。
今回、売却事業として挙げられた米国内施設を足切りすることで、成長性の高い海外施設に資源を注力。さらなる収益の立て直しを図ろうとしていると思われます。