フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)は、カジノオペレーターと政府がコロナウイルスによる損失を軽減する方法を模索しているため、店舗型カジノがオンラインでのベットを受け入れることを可能にする提案を検討している。Asia Gaming Briefが伝えた。
PAGCORは、フィリピンのカジノオペレーターから要請を受けたと述べた。
「今年のロックダウンの間に、店舗型のカジノオペレーターから、既知の顧客からのみオンラインでのベットを受け入れるという提案を受けました。関連部門は現在、提案に関連した調査を行っています。」ある業界関係者によると、この提案はフィリピン国内のクライアントのみに関連するものであり、発表はすぐに行われる可能性が高いという。
出典:TheDice
https://thedice.com/pagcor-mulls-online-gambling-for-casinos/
フィリピンカジノ事業者の苦境は続く
フィリピンに20以上あるカジノ施設は、今年3月に軒並み閉鎖へと追い込まれている。その後は8月になってようやく営業を再開したものの、現在でも最大30%という容量規制が課されている状態だ。しかし外国人観光客がいないダメージは大きく、唯一収益を発表した事業者でも期間収益が前年比およそ96%の落ち込みを見せている。
オンラインとのダブルパンチ?
PAGCORの認可を受け事業を展開するPOGO。POGOとはフィリピン・オフショア・ゲーミング・オペレーター、つまり海外向けオンラインカジノ事業者のことだ。割と好調と言われる業種ではあるが、じつはこちらも逆風に晒されている。
POGOは主に中国人をターゲットとしているが、中国当局からの締め付けが日増しに厳しくなっていることもあって、最近では事情撤退する企業が相次いでいる。フィリピン海岸沿いのスービック経済特別区では、先日まで4社あったPOGOのすべてがすでに撤退を開始しているという。
政府にとっても深刻な問題に
フィリピン財政を支えるPAGCORの収入激減は、今後の政策に大きな影響を与えかねないという意味では国にとっても大問題。もともと自国民に開放されているカジノゆえ、今回の提案は現状を凌ぐためには妥当とも思えるが… 当局も難しい舵取りを迫られている。