中国・深センに本社を置くオンラインカジノプロバイダーの500ドットコムは、日本での統合型リゾートの進出に絡む、日本法人の元副社長と元顧問の計3人による贈賄事件に関する調査の結果、外国公務員への賄賂を禁止するアメリカの連邦海外腐敗行為防止法に違反しているとは認められる充分な立証を得られなかったと発表した。
500ドットコムは特別調査委員会を設置し、3人の贈賄や関連する行為を調査するため、金杜法律事務所を法務アドバイザーに起用し、元取締役や元顧問への接触と調査を試みていた。
日本IRに大打撃を与える事態に発展
日本中のIR関係者に衝撃が走った中国企業・500ドットコムと元IR担当副大臣・秋元司議員による贈収賄事件。その後は秋元被告が裁判での偽証を働きかけた疑惑まで浮上し、証人買収の容疑でも逮捕される運びとなった。
結局、贈収賄では元政策秘書、500ドットコム日本法人元副社長、元顧問3人、加森観光前会長を逮捕・起訴。そして、証人買収では秋元議員の知人4人を逮捕・起訴している。
社内調査では不正をした確証を得られず…
今現在も500ドットコム側とされる2名の贈賄罪については東京地裁で審理が行われており、検察の主張が認められれば実刑となる可能性もある。
社会的関心も高い裁判の最中だけに、当事者のよる厚顔無恥な今回の発表には関係者ならずともイラっと来るところだろう。
東スポでも報じられた中国陰謀論
IR推進派にとってはとんだ災難となってしまったわけだが、ここに来て実はこの事件が中国政府の陰謀ではないかいう指摘が浮上している。以下がその根拠だ…
- もともと500ドットコムに日本IR参入は不可能
- 500ドットコムの大株主である紫光集団は習近平と親しい企業
- 中国政府は自国民の海外賭博や資金の持ち出しに頭を悩ませている
- 中国人の賭博需要をマカオに集約するには日本のカジノが脅威となる
他にも「賄賂の額がショボい」とか「汚職議員に大した権限がない」といった、本気でIR参入を狙っていたにしては腑に落ちない点が多いのは事実だ。
しかし、仮に日本国民のカジノに対する猜疑心を煽ってIR開発を遅らせる狙いがあったのだとすれば、それはまさに奏功したと言えるのではないだろうか。