サンシティグループが一貫して和歌山にこだわるのは、大阪や横浜のような大都市とは違う魅力があるからだという。大越氏は「素晴らしい自然や歴史遺産、豊かな文化、食など、さまざまな面でユニークな特徴を持っています。われわれは『IR2.0』と呼んでいますが、ラスベガスやマカオのようなネオンが輝くような従来型のカジノとは異なった和歌山の自然と融合したリゾート型のIRを作っていきたいと考えています」と語る。
和歌山を選んだ背景は、サンシティグループが集客の強みを持つ「VIP層の嗜好」もある。「お客様は、大都市のみならず、和歌山のような自然豊かで、食やリゾート気分を楽しめるところに行きたいと考えています」(大越氏)とのことで、大阪や横浜のような大都市より、むしろ和歌山の方が顧客の嗜好に合うという。
また、すでに都市としてできあがったマカオやラスベガスの発展の歴史を紐解いてみても、これから発展の余地のある和歌山の方がよいという。大越氏は「エンターテインメントやリゾートという観点で、新しいIRにチャレンジするには、開発の余地があり、環境負荷の低いところのほうがよい。IRを起点として、地域の皆様とともに成長するポテンシャルがあるというのが和歌山を選定した理由です」と語る。
和歌山を選んだ別の理由としては、国際空港からの距離があるという。「日本人は東京からの距離で見てしまいがちですが、アジア圏から見たら関西国際空港に近い和歌山の方がむしろ東京より近く感じます。人口の多い関西圏も近いですし、集客や雇用という面を考えても、和歌山の方が有利と判断しました」(大越氏)。また、大阪に近いことはむしろメリットだともとらえる。「他の国をみれば、地域に1つしかIRがないほうが異例。都市型の大阪IRとリゾート型の和歌山IRで共存共栄できると考えています」と大越氏は語る。
JaIR 2020.07.15:VIPのニーズに応え続けるサンシティグループが和歌山にこだわる理由
https://jair.report/article/363/
サンシティってどんな会社?
- サンシティは先日和歌山IRの参加資格審査をクリア
- マカオカジノにおけるVIPサービスで知られる
- ベトナム・フィリピン・ロシア・韓国でもIRを開発中
サンシティグループ(太陽城集団)は2007年にマカオで発足。VIP顧客向けのサービスを提供する、いわゆるジャンケット業がメインみたいです。その後、レストラン経営やチケット予約アプリ、コンサートの主催や映画スポンサーなど、エンターテイメントに関わる幅広い事業を展開。アジア各国のIRにも積極的に投資しており、まだ若い企業ながらIRの開発ノウハウやネットワークを兼ね備えていると言えるんじゃないでしょうか。
なぜか、ネガティブな噂が…
- 香港の暴徒に資金援助していた
- VIP顧客からの預かり金をカバーできない財務状況である
- 顧客情報を中国当局にリークした
- 中国当局から捜査のターゲットにされている
若い企業ゆえなのか、はたまた中国特有の事情なのか、それとも本当に黒いのか…? 定かじゃないですが、同社をめぐる噂は絶えず、7月12日にはアルヴィン・チャウ(周焯華)CEOがメディア向けのビデオをリリースし、これらの噂を否定する事態に…
しかしIRモデルはとっても魅力的!
今回、同社は『城』『庭園』『港』という和歌山に関連する3つのコンセプトでその魅力を世界に示していくIRモデルを提唱。また、運営については地元企業や地域との連携を考え、地域としてベストなやり方を採っていくとのこと。その他にも和歌山を選んだ理由や、コロナへの対応、和歌山IRの将来的なビジョンについて、わりと誠実かつ具体的に示している点については、私見ですがかなり好印象でした!