格付機関のムーディーズによると、2020年、アジア太平洋地域に向けて事業を行うゲーミング企業のEBITDA集計が、およそ7割減少する傾向で、来年から段階的に回復するという。
先週公表された研究結果の中で、ムーディーズは「海外旅行の減少、施設の閉鎖、そして大多数の国での社会的距離確保措置の継続によって、ゲーミングセクターの見通しは、このセクターが消費者需要に左右されやすいことを考えると、少なくとも2021年までは暗いままになるだろう」と指摘した。
アジアゲーミング業界が受けたコロナの影響が具体的に…
今回、米2大格付機関であるムーディーズから出た予測ということで、世界のカジノ事業者が対峙している問題の具体的深刻度合が浮き彫りになった格好だ。加えて、同社の予測ではこのセクターの2021年収益は、過去数年よりも低水準になることが確定的だという。
EBITDA(イービットディーエー)とは?
税引前利益から利息や減価償却費を差し引いて算出される粗利益のこと。税負担率は国によって異なるため、国際的企業の収益力を比較・分析するためしばしば用いられる指標。
最も状態が良いのはゲンティン、悪いのはスタジオシティ
今回の調査対象企業はサンズ、MGM、ゲンティン、メルコリゾーツ、ウィン、ナガコール、クラウンなど9社。同記事では9社中で最も財務状態が良いのはゲンティン・シンガポールで、これ以上支出拡大しないならば3年以上収益ゼロでも十分な流動性があるという。反対に状態が悪いスタジオシティ・ファイナンスの流動性は、状況が改善しなければ1年以内に底をつく可能性があると述べている。