米カジノ事業者のシーザーズ・エンターテインメントとモヒガン・ゲーミング&エンターテインメントの両社が、新型コロナウイルスによる資金調達の懸念によって、韓国の統合型リゾート計画への大幅な遅れに直面している。
仁川経済自由区域当局からの情報を引用した韓国のニュースメディアによると、「ミダンシティ」と呼ばれる永宗島での広大な計画の一部となるシーザーズ・コリア、そしてモヒガンのインスパイアが計画の完成に必要な最後の資金の確保に苦戦している。
また、投資家と現地開発パートナーの間での「意見の相違」も報じられており、現地パートナーは残りの資金全額の支払いと、建設を続ける前にさらなる資金を確保するよう求めていると伝えられている。
ミダンシティ(美緞市)
韓国・仁川国際空港エリアの永宗島で進められている広大な都市開発事業。住宅・商業・ビジネス・教育・文化・観光・レジャーが調和した自立的な国際自由都市を目指している。その一部であるIR開発計画がシーザーズ・コリアの複合リゾートだ
インスパイア・コリア
こちらも同様に仁川国際空港エリアで進められている外国人専用カジノを含むIR計画。併せて米映画会社Paramount Pictures(パラマウントピクチャーズ)ブランドのテーマパークも開発されており、こちらは2025年の開業を予定している
仁川国際空港エリアで進んでいる2つのIR
現在、同地区で稼働しているカジノ施設はパラダイスシティ仁川のみ。
上記2つのIR計画はこれに続く新たな集客施設として開発が進み、当初2020年の開業を見込んでいた。
しかしコロナ禍による開発企業の手元流動性低下は、ミダンシティにおいては工期をすでに8カ月以上遅らせており、インスパイアについても大幅な計画遅延を招いているとされる。
ここに来てかつてない逆風に晒されてしまったが、両社は最後のハードルとなる資金調達を無事確保することができるのだろうか?