金銭をめぐる決断は、ほかの多くの決断とは異なる。お金に関して決断を下す際には、たくさんの不確定要素が絡んでくるからだ。多くの人は、不明点の多い状況下で決断を下す術を身につけておらず、それが、お金に関して適切な決断を下すうえでの妨げとなっている。(中略)
ポーカーの元プロプレイヤー、アニー・デュークは、著書『確率思考 不確かな未来から利益を生みだす』(邦訳:日経BP)で、ポーカーには不確実性がつきものだと述べている。ポーカーでは、カードに注意を払うことはできるが、ほかのプレイヤーがどんなカードを持っていて、どういった戦略でどう賭けてくるのか、次にどのカードが出るのかを知ることはできない。
金融の世界であろうが、ポーカーやほかの領域であろうが、不確実な状況のなかで決断を下すには、まずは、どのような出来事や展開がどのくらいの蓋然性で起きるのかを推定する必要がある。それはつまり、第一に先入観や思い込みを排除して、起こりうるさまざまなシナリオを検討する必要があるということだ。次に、それらのシナリオのうち、発生する確率がほかより高いのはどれかを推定する必要がある。
出典:Forbes JAPAN
https://forbesjapan.com/articles/detail/37732/2/1/1
投資とギャンブルの違いとは?
一般的に、競馬やパチンコ、カジノにボートレースなどに興じることを「ギャンブル」と言います。しかし、ギャンブルとは「偶然に頼って利益を得ようとする行為」のこと。仮にこれらが勝つためのスキームに則ったうえで投資され、利益を生み出していたとしたら、果たしてこの行為をギャンブルと呼べるでしょうか。
金融商品をギャンブル感覚で行う人も
世界と比較して、日本の教育では金融に関する知識を得る機会が少ないと言われます。株やFXなどの金融商品に手を出す時、これらのリターンやリスク、確率や分散まで理解して投資を決断する人、また運否天賦で投資を決めてしまう人など様々。
そういう意味でも、金融の世界にはギャンブル行為が多数存在していると言えます。自らが下す「お金に関する決断」がギャンブルになってしまわないためにも、その貴重な教訓を得る具体的な方法として、金融のプロはポーカーをオススメしているわけですね。